東京西法律事務所

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2014年4月24日木曜日

明治へGo!(前編)

今日は、当ブログでは初めて取り上げる、戸籍のお話です。

戸籍制度は、明治5年に始まりました。


時代によって何回も形を変えながら、戸籍制度は現代まで連綿と続いています。

今日は、戸籍を、現代から出発して、遙か明治初期まで遡って眺める旅に出ましょう。

それでは出発です!


1 コンピューター化戸籍

あなたは、ご自分の戸籍がどのような形式になっているか、ご存じですか?



(戸籍サンプルの出典:福岡市)
http://www.city.fukuoka.lg.jp/shimin/kusei/life/kosekidennsannka.html

そう、こんな感じですね。

現代の戸籍は、ほとんどが電算化されています。平成6年の戸籍法改正によって戸籍がコンピューター化されました。

では、その前はどうだったか、覚えていますか?


2 現行戸籍(昭和23年~) 



(戸籍サンプルの出典:一般社団法人部落解放・人権研究所)
http://blhrri.org/info/koza/koza_0138.htm

覚えている方も沢山いると思います。縦書きのタイプ打ちでした。

現在の民法に従った、戦後の戸籍の様式です。

家族制度は、戦後大きく変わりました。戸主制度がなくなったのもその一つです。

戸籍も時代を反映しています。

次は、戦前まで遡ります。


3 大正4年式戸籍



(戸籍サンプルの出典:相続の栞)
http://souzoku.kouekisya.com/3-07.html

大正4年は、今から99年前です。

「戸主」や「前戸主」の欄があります。

ここから先、戸籍は墨で書いてあります。仕事上、この時代の戸籍を拝見する機会も多いのですが、手書きの文字の解読には毎回難儀しています(笑)。



4 明治31年式戸籍




(戸籍サンプルの出典:和み日記)
http://ameblo.jp/wasaisai/entry-11047308511.html

明治31年は、今から116年前です。

上記サンプルをよく見ると「孫」という続柄が見えます。つまり戸主の孫が一緒の戸籍に載っているのです。

この頃の戸籍は本当に大家族で、何ページも続いているものがあります。

明治31年は、旧民法が施行された年です。これによって、戦前の「家」制度ががっちりと固まりました。

私が子供の頃は、明治生まれの方もちらほらいらっしゃいましたが、今は非常に稀となりました。

5 明治19年式



(戸籍サンプルの出典:家系図スタジオ)
http://kakeizu-studio.com/Roots_03_Koseki.html

明治19年は、今から128年前です。

「こんなに昔の戸籍が残ってるなんて!」と驚かれる向きもあろうかと思いますが、明治19年式戸籍が一般に入手可能な最古の戸籍です。

よく見ると、右下に何も書いてない縦長の空白の欄がありますね。

これは何だと思いますか?

昔は、ここに「士族」などと身分が書かれていたのです。

今は塗りつぶされて、見ることは出来ません。

ちなみに、この時代の戸籍を見ると、「嘉永」生まれだとか、「慶応」生まれの人が沢山載っています(!)。

6 明治5年式(壬申戸籍)






(戸籍サンプルの出典:北さん堂雑記)
http://blogs.yahoo.co.jp/kitasan1970/44475281.html

いよいよ、日本最初の戸籍です。

この後の時代のものとは、随分見かけも中身も違います。

この頃は、血縁であろうとなかろうと、同じ所に住んでいる人が同じ戸籍に入っていました。

なお、残念ながら、壬申戸籍は、現在は閲覧することができません。

身分の欄の一部に現代では差別的とされる表現が用いられており、過去に部落差別に悪用されたことがあることから、閲覧ができなくなりました。

7 フィナーレ

150年近く遡った、長い長い戸籍の旅もいよいよ終わりです。

お楽しみ頂けたでしょうか。

さて、後編では、戸籍と相続の関わりについて、簡単に触れます。(だって、「わかる相続」のブログですから、ね。)