東京西法律事務所

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2016年5月15日日曜日

プリンスさんの相続について?

先日、弁護士ドットコムニュースさんからのご依頼により、
「プリンスさん遺産に親族?700人が名乗り…もし日本だった場合の相続ルール」
というタイトルで兄弟間の相続に関する解説を寄稿させて頂きました。

5月14日付けでヤフーニュースと弁護士ドットコムニュースの双方に掲載されておりますので、記事をご紹介させて頂きます。
(ヤフーニュースの方は、一時トップニュースに掲載して頂いたようですが、残念ながら私自身が見つける前に他の記事に替わってしまいました。)



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160515-00004647-bengocom-soci

ヤフーニュースの記事は、一定期間が経過するとリンクが切れると思いますので、弁護士ドットコムニュースの記事もご紹介します。

https://www.bengo4.com/c_4/c_1052/c_1580/c_1592/n_4647/

以下は記事本文です。

-----

今年4月に急逝したアメリカの伝説的歌手、プリンスさん。その遺産は、3億ドル(約328億円)とも10億ドル(約1100億円)ともいわれている。莫大な遺産をめぐって、なんと700人が「相続する権利がある」と名乗り出ているのだという。

報道によると、プリンスさんは結婚歴があるが、晩年は独身で子どももいなかった。両親はすでに他界しており、遺書も残していなかった。プリンスさんの遺産は、実の妹であるタイカ・ネルソンさんが相続する可能性が高いとされていたが、ほかにも5人の異父母兄弟がいることがわかっているという。

さらに、プリンスさんの血縁関係を調査する団体のもとに、「家族の写真にプリンスさんが写っている」とか「同じ地区に暮らしていた」といった理由などで、親族関係にあたると主張する電話が多数寄せられている。そのなかには、「プリンスさんの子どもだ」と名乗る人物も含まれているそうだ。

プリンスさんの莫大な遺産をめぐっては、今後、一波乱も二波乱もありそうな様相を呈してきている。もちろん、遺産の分配はアメリカの法律で決まるが、もし日本の法律だったらどうなるのだろうか。たとえば、異父母兄弟にも相続する権利はあるのだろうか。加藤尚憲弁護士に聞いた。

●「血族相続人」には順位がある

「日本の民法では、相続人となる資格がある人は、(1)『配偶者相続人』、(2)『血族相続人』(血のつながりがある人)の2つのカテゴリーに分かれます。

このうち(1)配偶者相続人は、常に相続人になります。一方、(2)血族相続人には順位があります。

加藤弁護士はこのように述べる。血族相続人にはどのような順位があるのだろうか。

「第1順位は、子や孫、ひ孫などの『直系卑属』と呼ばれる人たちです。まず、被相続人の子は、無条件に相続人になる資格があります。

これに対して、孫は、本来相続人になるはずの子(Aさん)が、被相続人より先に亡くなった場合だけ、Aさんの子が、Aさんに代わって相続人になります。ひ孫についても同様です。

第2順位は、父母や祖父母などの『直系尊属』と呼ばれる人たちです。相続が発生したときに、通常は、父母や祖父母など、上の世代の人たちがすでに亡くなっていることが多いので、実際は直系尊属が相続人になることは非常に稀です。

第3順位は、兄弟姉妹です。父や母の一方が異なる兄弟姉妹(=半血兄弟)も、兄弟姉妹であることに変わりはないので、相続人となる資格があります。

なお、兄弟姉妹が、被相続人よりも先に亡くなっている場合、その子(被相続人から見ておい・めい)が、相続人になるはずだった兄弟姉妹に代わって相続人になります。

このように、血族相続人には順位があるため、第2順位や第3順位の人が相続人になる資格を得るのは、上の順位の人が誰もいない場合に限られます。

たとえば、兄弟姉妹が相続人になるのは、被相続人に子や孫が1人もおらず、父や母が先に亡くなっているときに限られます」

●半血兄弟の相続分は「半分」になる

それでは、異父母兄弟であっても、ほかの兄弟と全く同じような取扱いを受けるのだろうか。

「相続できる財産の割合が異なります。兄弟姉妹が複数いる場合、半血兄弟の相続分は、父と母の双方を同じくする兄弟姉妹(=全血兄弟)の半分になります」

亡くなったプリンスさんのケースはどうなるのだろうか。

「海外のニュースサイトによると、プリンスさんが最後に住んでいたミネソタ州の法律では、全血兄弟と半血兄弟は平等に扱われることになっているようです。つまり、日本とはルールが異なるみたいですね。

また、兄弟の孫も相続人になる資格があるということなので、この点も日本とは異なります。海外の話ですが、興味が尽きません」

加藤弁護士はこのように述べていた。

2016年5月10日火曜日

相続セミナーの講師を務めます(6月開催)

本年6月に開催される相続セミナーの講師を務めさせて頂くことになりました。

開催日時:6月19日(日)10:30~14:00(予定)
場所:三鷹.市民斎場
主催者:株式会社AZUMA(東葬祭)様、株式會社栃木屋石材店様(共催)
催事名:第7回 もしも講座
講演内容:「遺言書の書き方講座」(加藤担当)(11:50~)

「もしも講座」ではこれまでにも他の講師の方から遺言に関する話を聞く機会があったとのことですので、今回は普段の私のセミナーよりも具体的な遺言の内容に踏み込んだ話をさせて頂く予定です。

このセミナーは、どなた様でも聴講頂くことが可能です。
参加ご希望の方は、お気軽に主催者様までお申し込み下さい(0120-66-5940)。



2016年4月17日日曜日

遺産分割の対象と預貯金(2)

先日のブログ記事について、続きを含めて弁護士ドットコムニュースに記事として掲載されましたので、ご紹介します。

記事の後に少しだけ補足がありますので、併せてご覧頂ければと思います。

タイトル:「骨肉の争い」が長期化?「預金は遺産分割の対象外」の判例変更があった場合の影響
<リンク先:https://www.bengo4.com/c_4/c_1050/n_4543/



記事本文

銀行預金が「遺産分割」の対象になるかどうか争われた審判の許可抗告審で、最高裁第1小法廷(山浦善樹)は3月下旬、最高裁の裁判官15人全員でおこなう大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)に審理を回付した。

報道によると、大法廷に回付されたのは、ある遺族が別の遺族に対して、約3800万円の預金などの遺産分割を求めた審判だ。1審大阪家裁と2審大阪高裁はいずれも「預金は遺産分割の対象外」と判断したという。

預貯金の遺産分割をめぐっては、最高裁が以前、「預貯金は対象とならない」と判断していた。大法廷回付は判例変更などをおこなう場合にされるため、今回、最高裁がこの判例を見直す可能性が高まっている。もし、判例が変更されると、どのような影響があるのだろうか。加藤尚憲弁護士に聞いた。

●預金の相続をめぐるルールはどうなっているのか?


「今回の話をわかりやすくするために、前提から説明します。

まず、遺産分割は、(1)遺言による指定にしたがう、(2)遺言による指定がない場合、相続人全員で協議して決める、(3)協議で決まらなければ、家庭裁判所での調停・審判を通じて決める、という流れになっています。

そして一般に、預金は、遺産分割の対象となることが当然のように思われるかもしれません。しかし、実はそうではないのです」

加藤弁護士はこのように述べる。

「判例によると、預金は原則として、『法定相続分にしたがい当然に分割して承継される』とされています。

つまり、遺産分割が成立していなくても、相続人は、銀行など金融機関に対して、法定相続分にしたがった預貯金の支払いを求めることができる権利があるのです」

たとえば、預金額が200万円で、相続人が子ども2人という事例で考えると、どうなるのだろうか。

「法定相続分にしたがい、子ども2人はそれぞれ、預金の2分の1ずつを相続します。したがって、遺産分割をしていなくても、金融機関に対して、それぞれ100万円ずつ支払うように求めることができます。

もっとも、判例は、預金について遺産分割することを禁止しているわけではありません。相続人全員が合意していれば、預金を遺産分割の対象にすることもできます。

むしろ、世間一般には、預金を含めた相続財産全体を遺産分割の対象にするケースが圧倒的に多いと思います」

●実際の金融機関の対応に隔たりがある


判例のルールにしたがって、遺産分割をせずに金融機関に預金の払い戻しを求めた場合、何か問題はあるのだろうか。

「(a)相続人が、金融機関に法定相続分にしたがった預金の支払いを求めることができる権利があることと、(b)実際に金融機関が預金の払い戻しに応じること、は別の話です。

たとえば、遺言書がないケースでは、金融機関は通常、遺産分割がおこなわれるか、相続人全員が同意しない限り、預金の払い出しに応じません。実はそれには理由があるのです。

先ほど述べたとおり、実際には、預金も含めた相続財産全体について遺産分割がおこなわれることが数多くあります。遺産分割により預貯金を相続した人が金融機関に預金の払い出しを求めたときに、すでに金融機関が法定相続分にしたがって払い出していると、金融機関と相続人との間にトラブルが発生する可能性が高いのです。

このように、判例のルールと金融機関の対応には大きな隔たりがあります。

もっとも、相続人は、預金の引出しに応じない金融機関を訴えて、裁判所の判決を得れば、金融機関も預金の引出しに応じます。最終的には、判例のルール通りになります。しかし、そのために、わざわざ訴訟という手段を用いる必要があるのです」

●判例の見直しの影響について


もし今回、判例が見直され、不動産などと同じように預金が遺産分割の対象になると、相続の当事者にとってどのような影響があるのだろうか。

「金融機関に対して、遺産分割前に預金の引き出しを求めることができなくなる可能性があります。また、相続人の間で、意外な損得の変化が起きる可能性があります。

たとえば、以前に、次のようなことがありました。

複数の相続人のうちの1人が特別な貢献をしたことによって、被相続人の財産が増えたり維持されたりした場合、その相続人は、遺産分割の際に、法定相続分よりも多く相続する権利があります。これを『寄与分』といいます。

預金と僻地の不動産のみを相続財産とする遺産分割で、被相続人と同居していた相続人が当初、被相続人を長年介護していたとして寄与分の存在を主張しました。しかし、ほかの相続人は寄与分を認めず、法定相続分による相続を主張したため、話がまとまりませんでした。

ところが、遺産分割の調停に入ったとたん、被相続人と同居していた相続人は、調停委員の説得に応じて寄与分の主張を取り下げて、法定相続分通りの遺産分割が成立しました。

私は、調停委員による説得を目の当たりにしたわけではないのですが、おそらく調停委員は次のような内容の話をしたものと推測します。

『そもそも預金を遺産分割の対象とするためには、相続人全員の同意が必要だ。

いくら寄与分を主張したところで、ほかの相続人が預金を遺産分割の対象とすることに同意しなければ、寄与分を主張する相続人は、誰も欲しくない僻地の不動産を多めに相続する結果となる。

そうであれば、寄与分を主張しない方が得策である』」

現在の判例を前提にすれば、こうした説得は効果的だろう。

「しかし、もし判例が変更され、預金が遺産分割の対象となった場合、このケースで被相続人と同居していた相続人は、預金をより多く相続するために、寄与分を主張する実益があることになります。

そうすると、実際に遺産分割の結果も変わってくるかもしれません。つまり、寄与分を主張したい当事者にとっては、判例変更によって、預金が遺産分割の対象になったほうが得になります。

また、同じようなことは、寄与分だけでなく、特別受益(たとえば、マンション購入の際に被相続人から頭金を出してもらった場合など)でも起こりえます。

寄与分や特別受益は、相続で最ももめやすいテーマの1つです。判例変更後は、寄与分や特別受益を主張する実益がある場面が増えるため、遺産分割をめぐる争いが長期化するケースが増えるという影響があると予想します」

加藤弁護士はこのように述べていた。
(弁護士ドットコムニュース)

------------
[補足]

なお、預金を遺産分割の対象とするか否かについては、現在、法制審議会で審議の対象となっております。

http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900285.html

文字数の関係から、記事では省略されてしまいましたが、今回の判例変更(の可能性)についても、法制審議会での議論の影響があるのではないかと言われています。

このテーマの議論がなされた日の法制審議会の議事録は、本日(4月17日)現在まだ公開されておりませんが、今後の審議の方向性についても注目して参りたいと思います。

2016年3月23日水曜日

遺産分割の対象と預貯金

皆さん、「預貯金は遺産分割の対象ですか?」と聞かれたら、何と答えますか?

「当然でしょ」と答えるかもしれませんね。

ところが、びっくりされる方も多いと思いますが、現金と違い、預貯金は原則として遺産分割の対象ではないのです。

預貯金は、金融機関に対して、「預けたお金を返してください」と求めることができる権利です。法律上、このような権利を「債権」と呼びます。

これまで、最高裁判例では、相続の際、金銭債権は、法定相続分に従い当然に分割されることとされていました(最高裁平成16年4月20日判決)。

つまり、遺産分割が成立していなくても、相続人は、金融機関に対して相続分に従った預貯金の支払いを求めることができるのです。

このように、「預貯金は、相続によって当然に分割されるものである以上、遺産分割の対象ではない」ということが論理的な帰結になります。

もっとも、現実には預貯金を遺産分割の対象にしていることが一般的なのですが、これは当然のことではなく、あくまで預貯金を遺産分割の対象にすることについて、相続人全員が合意して行っているからにすぎません

逆に言うと、家庭裁判所で遺産分割調停を行う際に、預貯金を遺産分割の対象とすることについて、相続人の間で合意が成立しない場合は、裁判所は預貯金について調停の対象とはしていません。このような実務上の取り扱いも、上記の最高裁判例が存在しているからなのです。

ところが、本日の報道によりますと、この判例が覆される可能性が出てきました。

---引用ここから


「預金は対象外」判例変更へ=遺産分割審判で大法廷回付-最高裁

遺産分割をめぐる審判の許可抗告審で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は23日、審理を15人の裁判官全員で行う大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)に回付した。預金は遺産分割の対象外とする根拠となっている最高裁判例は、実務との隔たりが指摘されており、見直すとみられる。
 大法廷に回付されたのは、遺族の1人が別の遺族に対し、約3800万円の預金などの遺産分割を求めた審判。一審大阪家裁と二審大阪高裁は、遺族間の合意がない場合、預金は分割できないと判断した。(2016/03/23-17:27)

---引用ここまで (引用元:時事通信社 時事ドットコム

上記の通り、この最高裁判例は、実務上の取り扱いの根幹を成している極めて重要なものです。

判例変更が実現した場合、実務への影響はかなり大きなものになることが予想されます。また、ケースによっては、従来の判例に従った場合と比較して、相続人に損得の違いが発生することが考えられます。

本ブログでは、どのような変化があり得るかについて、このエントリーの続編としてケース別に分析することを予定しております。お楽しみに。

(追記)

本件についても、本日(3月24日)弁護士ドットコムニュース編集部様から原稿のご依頼を頂きましたので、メディアにて掲載予定となりました。掲載予定日との兼ね合いで、本ブログでの発表とどちらが先になるかは未定です。

空家と相続放棄について(後編)

後編では、メディア原稿で割愛した話の中から、私が特に重要と思うことをブログをご覧の皆様にお伝えします。

まず第1に、相続放棄により空家を手放す際に、なぜ相続財産管理人を選任する必要があるのか、という点を明らかにします。

相続人がいない場合、相続財産が国庫に帰属することをご存じの方は多いと思います。

しかしながら、実際には、相続人全員が相続を放棄したとしても、それだけで直ちに相続財産が国庫に帰属する訳ではありません

相続財産を国庫に帰属させるためには、裁判所に相続財産管理人を選任してもらい、その後、相続財産管理人が行う様々な手続を経る必要があります。

この手続の中には、以下の内容を官報に公告することが含まれています。

①相続財産管理人選任の公告(公告期間:2ヶ月)
→相続財産管理人が選任されたことを知らせるための公告です。

②相続債権者・受遺者に対する債権申出の公告(公告期間:2ヶ月)
→被相続人の債権者等に名乗り出るように求める公告です。

③相続人捜索の公告(公告期間:6ヶ月)
→相続人に対して名乗り出るように求める公告です。

要するに、相続財産を国庫に帰属させる前に、本当に相続債権者や相続人がいないかどうか確認するためのステップを踏む必要があるのです。

もっとも、相続人がいるかどうかは、戸籍謄本から確認することができるので、なぜ相続人捜索の公告が必要か、不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、戸籍に記載がなくても、実の親子であれば、法律上の親子関係が成立していることがあるのです。

そして、これらの確認は、「官報に公告を掲載してから、一定期間待って誰も名乗り出てこないことを確認する」という方法で行われます。

また、これらの公告は、同時に行われるのではなく、上記①~③の順に、先順位の公告の公告期間が経過した後に行われるのです。

従って、相続放棄を行ってから、相続財産が国庫に帰属するまでには、通常1年数ヶ月程度の期間が掛かります。

それでは、相続人全員が相続放棄をして、相続財産管理人の選任申立をしないと、どうなるのでしょうか。その答えは民法940条にあります。

「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」(民法940条)
すなわち、相続放棄を行うと、次の順位の人が相続人になるのですが、次の順位の人が相続財産を管理することができるまで、相続放棄を行った人が管理義務を負うことになるのです。

それでは、相続人全員が相続放棄を行った場合はどうかというと、民法940条の解釈として、一般に、「相続財産管理人が相続財産の管理を始めることができるまで、最後に相続放棄を行った相続人が相続財産の管理を行う義務がある」と考えられています (参照:『相続法逐条解説(中)』中川淳(日本加除出版1990.10.15)184頁)。
つまり、相続人は、相続放棄を行っただけでは、相続財産の管理義務を免れることはできないということです。

もともと空家の管理責任を免れるために相続放棄をする以上、相続財産管理人を選任することが必須であるという結論になるでしょう。

第2に、相続放棄を行う際の注意点について触れたいと思います。

相続放棄を行う際、最も障害となりやすいのは、相続放棄前に相続財産の処分をしてしまうことです。

最もよくあるのが、亡くなった方の預貯金を引き出して使ってしまうケースです。

世間一般に、亡くなった方の預金口座が凍結されることをご存じの方は多く、「対策」として相続発生後に相続人が預金を引き出すケースが後を絶ちません。

しかしながら、亡くなった方の預貯金を費消することは、原則として(一応例外はあります)「相続財産の処分」にあたります。

そして、相続財産の処分を行った相続人は、相続を承認したものとみなされるため、相続放棄を行うことはできなくなります(民法921条1号)。

知らず知らずのうちに相続を承認してしまうことを避けるため、相続放棄を予定している場合は、予め相続人全員の間で「相続財産にはノータッチ」を周知徹底する必要があります。

また、うっかり預金の引出をしてしまった場合は、手遅れにならないうちに専門家にご相談されることをお勧めします。

【本ブログの関連記事】
葬儀費用と相続放棄

【セミナー開催のお知らせ】
少し先になりますが、6月19日に三鷹市で相続に関する講演を行う予定となりました。テーマや開催場所については、詳細が決定次第、当ブログでも告知させて頂きます。

2016年3月17日木曜日

空家と相続放棄について(前編)

最近、地方部を中心に管理が行き届かない空家が増えて来ており、社会問題になりつつあります。

先日、空家の相続に関してメディアから取材を頂き、読売新聞のウェブサイト(「発言小町」)に私のコメントが掲載されました(3月25日掲載)。

今回は、
ご両親が長期間空家になっている家を所有されている方からのご質問に詳しく回答させて頂きました。ご覧下さい(画面写真の後に文章が続きます)。

また、文字数の関係上、メディア原稿からは割愛せざるを得なかった話を本ブログでお話しします。後編も併せてご覧下さい。 

<リンク先:Yomiuri Online>
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/plus/kuragetlogy/20160323-OYT8T50031.html





【質問】
私の両親は、地方に空き家を所有していますが、もう何十年と空き家になっており、屋根瓦が飛ぶなど、人に怪我をさせる可能性があります。万一の場合、どのような法的責任を負う可能性がありますか。

また、空き家は売りたくても書い手がつかないような状態です。空家を手放す方法はありませんか。


【回答】

●「ご両親が健在なうちは、手放すことは困難」

相談者さんは空き家を手放すことを望まれているようですね。

残念ながら、ご両親が健在なうちは、空き家を手放すことは大変困難です。国や自治体が不要な不動産を引き取ってくれる可能性はほとんどありません。理由の1つとして、自治体にとっては、不動産を引き取ると固定資産税の減収につながることが挙げられます。

このように、ご両親が健在なうちは、空き家を持ち続けることを前提に考えざるを得ません。

もっとも、空き家は、どうしても管理が疎かになりがちです。修理が必要な家を放置した結果、壁が崩れたり、屋根瓦が飛んだりして、人に怪我をさせたり、隣家を傷つけた場合、危険工作物の占有者ないし所有者として損害賠償責任を負うことがあります(民法717条1項)。

賠償責任を免れるためには、空き家を取り壊すか、管理をきちんとする以外の方法はありません。

●「相続が空き家を手放す機会」

ところで、ご両親が亡くなった時点では、相続放棄によって空き家を手放す機会があります。ただし、これから述べる通りいくつかの注意点があります。

1つ目は、相続人全員が、法律の定める期間内(自分が相続人になったことを知った時から3か月以内)に裁判所に相続放棄の申立をする必要があることです。

法定相続人が相続放棄をすると、次順位の人が繰り上がるため、相談者やその兄弟姉妹だけでなく、ご両親の兄弟姉妹(兄弟姉妹のうち亡くなった方がいる場合は、亡くなった方の子)も相続放棄をする必要があります。

2つ目は、費用がかかることです。

空き家の管理責任を免れるためには、相続放棄の後に、裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てる必要があります。裁判所に申立を行うと、裁判所から手続費用の予納を求められます。予納金の額は数十万~100万円程度が一般的です。簡単に捻出できる金額ではありませんが、空き家を取り壊す費用に比べれば小さいともいえます。

3つ目は、相続放棄の際には、すべての相続財産をまとめて放棄する必要があり、欲しくない財産だけ放棄することはできないということです。

ご両親の財産の中に放棄したくない財産がある場合は、ご両親から生前贈与を受けておくか、ご両親の遺言書に基づいて遺贈を受けるか、いずれかの対策が必要です。いずれの対策もご両親が健在なうちにしかできないため、計画的に取り組む必要があります。なお、贈与や遺贈を受ける場合、贈与税や相続税の負担についての検討も欠かせません。

●「予め専門家への相談を」

今後は、空き家が増えていくことが予想されており、相続対策が必要な場合も多いと思います。相続放棄を予定する場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。

【本ブログの関連記事】
空家と相続放棄について(後編)

2016年3月10日木曜日

(続)「花押」による遺言書は有効か

9日付日経新聞web刊によると、当ブログの以前の記事で取り上げた花押によって作成された遺言書を有効と認めた裁判例(福岡高裁那覇支部平成26年10月23日決定)について、最高裁が弁論を開くことを決定したとの報道がなされております。

----以下引用


「花押」遺言書、有効判決見直しか 最高裁が上告審弁論 

2016/3/9 22:04
 
 最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は9日までに、押印の代わりに戦国武将らのサインとして知られる手書きの「花押」を用いた遺言書の有効性が争われた訴訟の上告審弁論を4月22日に開くと決めた。最高裁は通常、二審の結論を見直す際に弁論を開く。遺言書を有効とした二審・福岡高裁那覇支部判決が見直される可能性がある。
 遺言書は沖縄県の男性が不動産を次男に相続させるとの内容。遺言書は署名と押印が必要だが、署名と花押が記されただけだった。無効と主張する長男と三男に対し、次男が有効性の確認を求めて提訴していた。
 一審・那覇地裁は生前に男性が花押を使用していたことなどから「押印と認めるのが相当」と遺言書は有効と判断、二審も支持した。〔共同〕
----引用ここまで

記事にある通り、最高裁で弁論が開かれることは、一般的に、高裁の判断が覆される可能性があることを意味しております。


ところで、この原審裁判例を参照したところ、原審段階では、花押が押印として認められるかについては、特段の判示はなされておらず、むしろ第一審(那覇地方裁判所 平成26年3月27日判決)に詳しく述べられていました。

そこで、第一審判決を引用します。

----以下引用(出典:LLI/DB 判例秘書登載)

花押が「押印」として認められるかについて

 民法968条1項が自筆証書遺言の方式として自書のほか押印を要するとした趣旨は,遺言の全文等の自書とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに,重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにある(最高裁平成元年2月16日第一小法廷判決・民集43巻2号45頁)。


 そこで検討すると,まず,認印による押印の場合よりも花押を用いる場合の方が偽造をするのが困難であるといえ(甲43),花押を用いることによって遺言者の同一性及び真意の確保が妨げられるとはいえない。また,前記1(2)アのとおり,花押が文書の作成者・責任者を明らかにするために用いられていた署名や草名が簡略化されたものであり,重要な書面において署名とともに花押を用いることによって,文書の作成の真正を担保する役割を担い,印章としての役割も認められている。

 そのような花押の一般的な役割に加え,前記1(2)イ及びウのとおり,△△家においても重要な文書において花押が用いられていたことやAも契約書等の書面においては署名と印章を用いていたものの,色紙への記載に花押を用いるなどしていたこと,本件遺言書1に認められるAの花押の形状等も併せかんがみると,Aによる花押をもって押印として足りると解したとしても,自筆証書遺言である本件遺言書1におけるAの真意の確保に欠けるとはいえないし,花押が日常的に用いられるものとはいい難いことを考慮しても,前記趣旨に反するものとはいえない。

  以上からすれば,本件遺言書1におけるAの花押は,自筆証書遺言における押印と認めるのが相当であり,本件遺言書1が押印を欠き無効であるとはいえない。なお,本件遺言書1には誤記が訂正されているところ,その訂正について民法968条2項所定の方式を遵守していないが,明らかな誤記の訂正であって本件遺言書1の効力を左右するものではない(最高裁昭和56年12月18日第二小法廷判決・民集35巻9号1337頁)。


(読みやすいように、文章ごとに段落を区切っています。)

----引用ここまで

つまるところ、第一審判決が花押による押印を認めた理由は、
①花押の方が印鑑よりも偽造が困難である
②花押は、遺言者の出身家において、印鑑と同じ社会的役割を果たしてきた
という2点にあるようです。

ところで、当ブログでは、花押による遺言書を有効と認めた高裁の判断について、「思い切った判決」であると述べ、これまでの下級審判例の流れとは異なったものであることを指摘して参りました。

これは、上記2点の理由のうち、①の点について、疑問があると考えているからです。以下は私見です。

もともと、署名は、人の筆跡の同一性(人の習慣)が、本物の署名であることを担保しています。

これに対して、捺印は、同じ印章を用いて押印された印影は、別の機会に押印したものであってもほぼ同一のものになるという物理的現象を利用したものです。

このように、署名と捺印は、いずれも文書が本物であることを担保しようとしている伝統的な方法でありながら、異なるメカニズムを利用していることに留意すべきであると思います。

そして、民法は、自筆証書遺言を作成する際には、署名と捺印の両方を要求していますが、このことは、要するに、遺言書を作成する際には、これら異なる2つのメカニズムの双方を用させることで、遺言書が本物であることを慎重に担保しようとしたものではないかと思われます。

ところで、花押は人が手で書くものであって、その性質上どちらかといえば捺印よりも署名に近いものであると言えます。

そうであるとすれば、花押と署名だけで有効に遺言書を作成することができるとすると、実質上、署名のみで遺言書を作成することができることに限りなく近づくことになるため、問題があるのではないでしょうか。

最高裁の判決がどのような結論を取るのか、そしてその理由付けは何であるのか、について引き続き注目して参りたいと思います。

↓追記しました。最高裁判決後の記事です。 【本ブログの関連記事】
(続々)「花押」による遺言書は有効か

2016年2月8日月曜日

セミナーを終えて(報告)

2月に入ったばかりですが、あっという間に本年2回目のセミナーが終了しました。

今回は、JR巣鴨駅から徒歩5分程にある「区民ひろば仰高」で、30名超の方々を前にして「もめない相続・上手な遺言」というテーマでお話をさせて頂きました。



講演の後、参加者の皆様からご質問を頂く時間を設けたところ、瞬く間に4名の方々から手が挙がり、大変活発なセミナーとなりました。

また、セミナー終了後に区民ひろばの方々と懇談させて頂いた際も、「講演内容が分かりやすかった」旨のご好評を頂くと共に、別の会場での講演のお誘いを頂きました。

なお、私の講演の前に、NPO法人トータルライフサポートの代表理事を務める三国浩晃さんがエンディングノートの書き方について15分ほどお話されたのですが、三国さんは大変お話が上手で、会場から度々笑い声が起きるほど、参加者の皆さんはリラックスして聞いていらっしゃいました。

私も、講演内容にクイズや間違い探しを採り入れるなど、皆さんに楽しんで聞いて頂けるように工夫はしていますが、参加者の方に少しでも分かりやすくお伝えできるよう、更に精進を重ねていきたいと思います。

ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

2016年2月2日火曜日

終活セミナーのお知らせ(2月8日開催)

告知期間が短くなりましたが、2月8日に豊島区で開催される終活セミナーの講師を担当させて頂くことになりました。

これまで企業様や法人会などの場所をお借りしてお話させて頂くことが多かったので、区民会館での講演は私にとって初めての試みとなります。

どなたでも参加可能ですので、ご希望の方は、当日直接会場までお越し下さい。


セミナーを終えて(報告)

当ブログでも告知させて頂きましたが、私が講師の1人を務めさせて頂いた相続セミナーが1月30日(土)に杉並区阿佐ヶ谷の新東京会館にて開催されました。

当日は、15名程度の皆様に、相続と財産管理について、分かりやすく1時間程度お話をさせて頂きました。

当日は、講演後に活発な質疑応答があったほか、2組の参加者の方からは個別のご相談を頂きました。

ご参加頂いた皆様の今後の参考になれば幸いです。


2015年12月11日金曜日

1月に相続と財産管理(遺言、任意後見、民事信託)に関する講演を行います

昨年11月に講演させて頂いた、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)様より、再度講演のご依頼を頂きました。

日程は、来年1月30日()です。

場所は、前回と同じ阿佐ヶ谷の新東京会館です。

今回のテーマは「相続と財産管理の『今できること』」と題して、遺言、任意後見、民事信託について、それぞれのメリットとデメリットに触れながら、その使い分けについて分かりやすくお話しさせて頂く予定です。

 
 
このセミナーは、どなた様でも参加可能ですので、講演テーマにご興味をお持ちの方は、主催者様まで是非ご連絡下さい(0120-998-025)。 

2015年11月25日水曜日

当事務所が書籍に掲載されました

この度、本邦初の「弁護士版ミシュラン本」として12月に発刊される予定の「みんなの弁護士207人(首都圏2016年版)」(南々社)に当事務所が掲載されることとなりました。



この本は、合計207人の弁護士をいくつかのカテゴリーに分けて紹介していますが、当事務所が掲載されているのは、もちろん「相続」の部門です。

相続部門では、全部で12箇所の法律事務所が掲載されています。

東京で相続を取り扱う数多くの法律事務所の中で、当事務所の実績が評価され、掲載事務所の1つとして選出されたことは大変喜ばしいものです。

今後ともお客様の期待に応えるべく努力を続け、来年以降も掲載が続くよう、頑張りたいと思います。

内容については、どうぞ書店でお手にとってご確認下さい。

なお、来年1月末に住宅メーカー様のご依頼により相続及び財産管理に関するセミナーの講師を務めさせて頂くことになりました。詳しくは、当ブログにて来月発表する予定です。

2015年10月19日月曜日

相続勉強会(少人数制)の講師を務めました。

10月18日に西東京市の保険代理店(LR保険プランナーズ様)にて開催された相続勉強会の講師を務めさせて頂きました。

タイトルは「相続紛争の効果的な防止策」についてです。

私のこれまでの経験から、相続に関する紛争が、どのような場合に起きやすいのか、そして、紛争を防ぐにはどのようにすれば良いのかという話を、70分間にわたり、具体例を挙げて、かつ皆様に分かりやすいようにかみ砕いてお話しさせて頂きました。


 

これまで、私は20人~30人規模の人数の方々を前にお話しさせて頂くことが多かったのですが、今回は講師と皆様との距離を縮めるために、あえて少人数制の形式を取らせて頂きました。

おかげで、参加者の皆様と活発なコミュニケーションが取れ、沢山のご質問も頂きました。

一度に全員の参加者の方がセミナールームに入りきらないため、来週の日曜日に再度同じ話をさせて頂く予定です。

今回ご参加頂きました皆様のお役に立てたことを願っております。

また、来週参加の皆様には、是非楽しみにして頂ければと思います。

2015年7月3日金曜日

荻窪グルメ探訪(6)うなぎ安斎

安斎さんといえば、知る人ぞ知る、荻窪のうなぎの隠れた名店です。

食べログでも、東京全体の鰻専門店の中で14位にランキングされています。

駅から5分以上歩くのですが、お店はいつも予約でいっぱいです。

私は、荻窪で仕事を始めて5年くらいになりますが、実は、3ヶ月くらい前まで、安斎さんを訪れたことはありませんでした。

そして今では、このことを人生の損失であったと強く後悔しています。

そんな訳で、今週再び安斎さんに行って参りました。


写真を見るだけでよだれが出そうですね。

鰻はふっくら焼けていて、ご飯がもちもちしていて美味しいです。

何よりも、甘すぎず、辛すぎず、丁度良い塩梅の味付けになっているところが良いです。

うな重の前に、肝焼き、ひれ焼き、白焼きも頂きました。

これらは、数が限られているので、早めに予約しないと確保できません。

食べ終わった頃にはすっかり満足しました。

飽きのこない味で、定期的に訪れたいお店です。


2015年6月30日火曜日

相続遺言セミナーの講師を務めました

昨年に引き続き、本日午後、国境なき医師団日本事務局様において、「上手な遺言の残し方」と題して、セミナーの講師を務めさせて頂きました。
 
20名近くの方々に、1時間にわたって、上手な遺言書の残し方のポイントについて熱心に聞いて頂き、セミナー後は沢山のご質問も頂きました。
 
ご来場の皆様、ありがとうございました。

2015年6月26日金曜日

相続放棄と未支給年金の受給

 国民年金は、2ヶ月分まとめて後払いで支払われています。

 国民年金を受給していた方が亡くなった場合、国民年金は、亡くなった方の遺族に対して、亡くなった月の分まで支払われます。これを「未支給年金」と呼びます。

 それでは、相続人が相続放棄を行った場合、未支給年金を受け取ることができるのでしょうか

 言い換えると、未支給年金を請求する権利は、亡くなった方の相続財産といえるのでしょうか。

 結論から言うと、国民年金法に基づく未支給年金請求権は、遺族固有の権利であり、相続財産ではないと考えられます。

 この点、最判平成7年11月7日は、未支給年金請求権を受給する資格のある方が死亡した場合(つまり、本来国民年金の受給資格のある方(仮に「Aさん」とします。)に次いで、未支給年金を受給するはずの方(仮に「Bさん」とします。)も亡くなった場合)、未支給年金を受け取る権利について、Bさんの相続財産ではないと判断しています。
 
 また、上記判例は、判断の理由として、国民年金法が相続とは別の見地から未支給年金の受給資格者を直接定めていることを挙げています。

 一般に、死亡退職金は、会社の退職金規定により支給対象者が決まっていることを理由に相続財産ではないとされていますが、上記判例の理由付けは、まさにこれと同じような判断を行ったものと考えられます。

 また、この理由付けを敷衍すれば、もともと未支給年金請求権自体、上記Aさんの相続財産ではないと考えられるはずです。

 なお、税務当局も、上記最高裁判例を引用しつつ、未支給年金請求権への相続税の課税を否定する見解を述べており、未支給年金請求権は相続財産ではないという立場に立っているものと考えられます。


2015年6月9日火曜日

荻窪グルメ探訪(5) HASHIMOTO (ハシモト)

前回に引き続き、今回もフレンチのお店のご紹介です。

HASHIMOTO(ハシモト)は、荻窪で老舗のフレンチレストランです。

こちらのシェフは、奇しくも当ブログで先日ご紹介したValinorと同じ、銀座レカンのご出身と聞いています。

今回は、当事務所スタッフの歓送迎会でお邪魔しました。

早速、写真で料理をご紹介します。



アミューズはカリカリに焼いたパンに、ハムの入ったペーストを乗せて頂きます。

パンの香ばしさ食欲をそそります。


前菜の1皿目は、ツブ貝のタルタルを選択しました。
タルタルはもちろん生で、マヨネーズの入ったソースで和えてあります。
緑色の部分はジェノベーゼソースです。



前菜の2皿目は、焼きアスパラガスのチーズリゾット添えです。

ホワイトアスパラガスの焼いたものは初めて食べましたが、グリーンアスパラと違ったみずみずしさがあり、本当に美味しかったです。

リゾットもチーズの香り口の中一杯に広がります。

そして...




[Sorry No Image]




何ということでしょう。

メインとして選択した鴨のオレンジソースが大変美味しく、写真を撮るのもすっかり忘れてすべて平らげてしまいました。

気がついたときには、もう後の祭り。

鴨肉はすべて一口大に切り分けられていて、噛む必要がない位、柔らかかったです。

オレンジのソースとも相性抜群です。まさしく鉄板の黄金コンビ



デザートは、イチゴのソースに浮かべた白い「何か」

「何か」の正式名称は忘れてしまいましたが、ブラマンジェのような色彩と味と食感でした。

これでコースは終了。本当にお腹いっぱいになりました。

今回オーダーしたコースの他に、もっと品数の多いコースもあり、実は当初私はそちらを選択しかかったのですが、同席者から「食べきれないのではないか」と止めが入り、品数の少なめのコースに変更しました。

料理を食べ終わったときには、当事務所の弁護士よりも冷静な事務員の判断に大変感謝しました。

以上、いくつかの料理をご紹介しましたが、先日のValinorが素材や調理法で工夫を凝らし、他に類を見ないような尖った料理を提供しているのに対し、ハシモトは老舗らしく奇をてらわず、それでいて美味な料理を提供しており、両店は同じ荻窪のフレンチでありながら、料理において対極をなしているといって良いほど、違いがあります。

私は、両方のお店のファンになりました。

ハシモトには、近日中に、撮り忘れた写真を撮りに戻ってきたいと思います。


みんなの法律相談

当ブログ読者の皆さんの中に、画面の右側に、最近何やら順位のようなものが表示されているのにお気づきになった方はいらっしゃるでしょうか。

これは、私が弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」に回答していることを示しています。

この順位は、回答数その他の成績に従って、決まるものです。

私は、今年3月半ば頃から、相続・遺言の分野の質問に絞って、この「みんなの法律相談」に回答していますが、おかげさまで随分順位が上がって参りました。

ところで、順位を決める要素の中に「ベストアンサー率」という数字があります。

この「ベストアンサー率」は、その回答者の回答の中に、質問者から「最も優れた回答」として選ばれた回答の数がどれだけあるかを示す比率です。

ベストアンサー率の計算が始まったのは、つい先月13日のことですが、私のベストアンサー率はほぼ一定して上昇し続けています。

そして先週、ついに私のベストアンサー率が全回答者中トップになりました。

順位は日々入れ替わっているので、常にトップではないのですが、最近は、必ず1位か2位のどちらかで安定しています。

これまで、回答数よりも質を重視して回答を行ってきた甲斐がありました。

今のところ、ベストアンサー率は、回答者本人には知らされていますが、公表はされていないので、皆さんにご覧頂けないのが残念です。

今後とも、選ばれる弁護士でありたいと思います。

2015年5月21日木曜日

荻窪グルメ探訪(4)Valinor (ヴァリノール)

荻窪で一番話題のフレンチのお店、Valinor(ヴァリノール)さんでランチを頂いて参りました。

Valinorさんは、荻窪席南口から徒歩4分ほどの場所(以前の東京西法律事務所のすぐ近く)に、3年ほど前にできたフレンチのお店です。オーナーシェフは銀座レカンのご出身との噂。

これまで何回か伺ったことのあるお店ですが、いつ伺っても驚きのある素材と調理法で楽しませていただきます。

1ヶ月ぶりの更新がグルメ記事というのも我ながら如何なものかと思いますが、今日も写真が盛り沢山です。

では早速。


フォアグラのムース(左)とオリーブの実のお菓子(右)


黒ごまを練り込んだバター

パンと一緒に供されるバターですが、何と中に黒ごまペーストが入っています。お皿も黒いので、写真だとちょっと見にくいかもしれません。パンに付けて口に運ぶと、ごまの香りが一杯です。

オムレツ

オムレツには香り高い桜海老が添えてあり、食欲をそそります。濃厚なオマール海老のソースがかかっています。

いさき

いさきには低温熱調理法で時間をかけてじっくりと火が通っています。ソースはワインビネガー風味

尾長鯛

こちらはしっかりと火が通っており、調理法はポワレと呼んで良いと思います。緑色のソースはソラマメから出来ています。茶色いソースは忘れてしまいました。

仔牛肉

こちらも、低温熱でじっくりと火が通っています。マッシュルームや牛蒡などが添えられています。

日本では仔牛肉はあまり一般的ではありませんし、アメリカでもポピュラーとは言えませんが、ヨーロッパに行くと食べる機会が多くなりますね。

とても柔らかく、ステーキなどとは違う食感が楽しめます。

ヌガーグラッセ

最後はデザートです。

あまり聞き覚えのない名前のデザートですが、ナッツやドライフルーツのかかったアイスクリームのようなケーキです。いちごの甘みとミントの香りが心地よくランチを締めくくってくれました。

最後に、お土産にフィナンシェを2つ頂いて帰りました。2つとも当日の夕方に食べてしまいましたが、フィナンシェの中に入った黒オリーブ(一皿目の右側のお菓子と同じ材料です)が、楽しかったひとときを思い出させてくれました。

Fin

2015年5月12日火曜日

葬儀費用と相続放棄

世間一般に、亡くなった方の預貯金を親族の方が引出し、その中から葬儀費用を支払うケースがあります。

ところで、その後に、被相続人に思わぬ借金が見つかった場合、相続放棄を行うことはできるのでしょうか

原則として、相続人が相続財産を処分すると、相続を単純承認したものとみなされ、相続放棄を行うことができません

もっとも、相続放棄を認めないと相続人にとって酷な結果となる事例も多く、救済判例が多数出ています。簡単に相続放棄をあきらめるべきではありません。 

相続財産から葬儀費用を支出した場合、「相続財産の処分」には当たらないという裁判例があります(大阪高裁平成14年7月3日決定)。

ただし、上記の裁判例はあくまで特定の場合の救済判例としての意味合いがあるため、必ず救済されるという保障はありません。裁判所に相続放棄の申述許可を申立てる前に必ず専門家に相談することをお勧めします。

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